【ブックレビュー】ビジネスモデル全史を読んで

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僕は決して本を読むのが早い方ではないので、なかなか本を読み終わらないことが多々あります。 ただ表題の本「ビジネスモデル全史」についてはわりとさくさく読むことができました。

今回は、ブックレビューと言うと仰々しいですが、僕なりの読んだ感想などを共有したいと思います。

全体像

ビジネスモデル全史は、その名のとおり古くは約600年前のメディチ家から、最近で言うと先日ニューヨーク証券取引所に上場したモバイル決済のSquareまで、70のビジネスモデルに対する筆者の考察集と考えて問題ないと思います。

この本ではビジネスとは、

誰かに対してある価値を、どこからか何かを調達・創造し、提供して、対価を得るもの

で、

その要素の組み合わせ(セット)が「ビジネスモデル」となる

と言っています。

しかしその一方で、

「ビジネスモデル」とは何者か?(略)この便利な言葉にはまだ定まった定義がなく、使う側も4割弱はそんなことにはこだわらずに(つまり無定義の)まま使っています。

とも言っています。

そこで筆者はビジネスモデルを、

旧来の戦略的フレームワークを拡張するためのコンセプト・セットであり、その目的は多様化・複雑化・ネットワーク化への対応である

と定義し、その戦略フレームワークとして、

  • ターゲット(顧客)
  • バリュー(提供価値)
  • プロフィット(収益の仕組み)
  • オペレーション/リソース(ケイパビリティ)

の4つの統合だとしています。

この戦略フレームワークを使って、先ほど申し上げたとおり70のビジネスモデルに対して切り込んでいるというわけです。

感想

本のタイトルがいかにも経営者やコンサル向けな感じがしますが、中身を開いてみるととても親切かつ丁寧に書かれていて、新卒で会社に入った方々でも全然読めるレベルだと思います。

また、先ほどの戦略フレームワークを使って業種問わず説明しているところはとてもおもしろく、思わず「なるほど!」と言いたくなってしまうほどです。

一方で、本書で取り上げられているようなビジネスを作り上げた起業家たちが、このような戦略フレームワークを使っていたかというと謎、というよりもむしろ「使ってないでしょ!」と突っ込んでしまうという話になります。

ですので、例えば起業でも新規事業でも何でもいいと思うのですが、何かビジネスを作り出すという状況だとあまり役に立たないかもしれません。

とは言え、読み物としてはとても読みやすく大変おもしろい内容ですので、興味がある人は是非読んでみるといいと思います!

それではまた。

photo credit: Workshop Gamestorming with Sunni Brown on June 6th 2013 in Amsterdam organized by Business Models Inc. via photopin (license)